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改正証券税制のポイント

わが国の個人金融資産は、約1,400兆円あると言われていますが、その大半を預貯金が占めています。政府では、経済・証券市場活性化の観点から、リスク資産への投資を促進させようと「貯蓄から投資」を一つの政策目標としています。
平成15年度の証券税制の改正では、株式関連商品に対する課税の簡素化を図り、さらに税率の面でも株式投資に対してインセンティブを与えるなど、投資の活性化が図られています。

1.平成15年度に導入された内容
(1) 申告分離課税への一本化(源泉分離課税の廃止)
○平成14年末まで 「源泉分離方式と申告分離方式から選択」
・源泉分離方式・・・売却金額の1.05%の課税  → 「金持ち優遇の不公平税制」
・申告分離方式・・・年間譲渡利益の26%の課税  → 損益通算の利用
○平成15年から 「申告分離方式に統一・・・確定申告」
※ 普通のサラリ−マンで(給与以外の収入がなく)株式投資による譲渡所得が年間20万円以下なら確定申告の必要はありません。
(2) 申告分離課税の引下げ(26% → 20% )
上場株式等に対する申告分離の税率は従来の26%から20% (所得税15%地方税5%)に引下げられました。

上場株式等の譲渡所得の軽減税率の適用

平成15年から平成19年の譲渡に対しては、さらに10%の軽減税率(所得税7%住民税3%)が適用されます。
(3) 譲渡損失の繰越控除制度の創設
株式等の取引により、譲渡損失が発生し、他の株式の譲渡益から控除しきれない場合には、この損失を翌年以降3年間に限り繰越し、その年の譲渡益と相殺できる制度が設けられました。
(4) 特定口座制度
原則として確定申告が必要になった為、投資家の申告や納税に係る事務的な負担を軽減する事を目的に「特定口座制度」が設けられました。但し、特定口座を利用した場合でも、確定申告が必要となる場合があります。損失の繰越控除や他の特定口座や一般口座と損益通算を行う場合です。

○一度選択された源泉徴収制度の変更は、翌年までできない。
○次のような場合には、「源泉あり特定口座」を選んでも確定申告する必要がある
・複数の「特定口座」や一般口座で発生した損益を通算する場合
・3年間の譲渡損失の繰越し控除を受ける場合
・投資信託の解約・償還損と株式売買益とを通算(平成16年1月から)する場合
・配当控除を受ける場合
○「源泉徴収あり特定口座」なら確定申告は不要。証券会社が取引の都度必要金額を徴収し投資家に代って納めてくれる為、投資家は税務署に行かなくても良い。
その他この「源泉あり特定口座」を選ぶと、証券会社から投資家に送られてくる年間取引報告書が、証券会社から税務署・市区町村へ送付されることはない。

★投資金額が、少なければ「源泉なし」を選ぶ!!
給与所得以外の収入が20万円以下から確定申告は不要、「源泉徴収あり」では、売却のつど税金が引かれるので、20万円以下でも納税となってしまうので、投資金額が少なく、20万円は儲かりそうもない人は、「源泉なし」を選ぶ。

★妻の所得が多い時は、「源泉あり」を選ぶ!!
妻や家族の譲渡所得が年間38万円を超えると扶養家族から外れてしまう。この場合「源泉あり特定口座」だったら税務署に年間取引報告書が提出されることもなく、確定申告も不要。
(5) みなし取得費の特例
確定申告において取得価額を確定できない場合、平成13年9月30日以前に取得した上場株式等を平成15年から平成22年の間に譲渡した場合には、その取得価額は平成13年10月1日の終値の80%とする事ができます。

★ 利益が出ても損失として申告できるケ−ス
取得価額は分かっているが、平成13年10月1日の終値の80%の方が高く有利な場合には、この特例を受ける事ができます。
(6) タンス株券の特例
平成15年4月よりタンス株券も特定口座に入れられる事になりました。 但し、預け入れ可能な期間は、平成16年12月末日まで。
証券会社で取得日等が確認できる場合 → 確認書類に記載された日及び金額
上記以外の場合 →  取 得 日 平成13年 9月30日
取得価額 平成13年10月1日の終値の80%

★ 「タンス株券」を「特定口座」に入れる場合は、投資家はその取得価額を、
・ 実際の買った価格等
・ 名義書換日の終値等
・ 「みなし取得費」
から有利な価額を選択できるとされています。
★ この期間を過ぎてしまうと「特定口座」に入れる事ができなくなり、一般口座で売買し、確定申告が必要となる。又、取得価格が不明な株券は、売却価格の5%相当額となってしまいます。
(7) 配当課税の見直し
・ 配当金の源泉分離課税(35%)が廃止され、かつ平成15年4月1日以後の配当金については、申告不要制度と総合課税により確定申告する方法のいずれか選択となりました。
上場株式等の配当金に対する源泉徴収税率が、平成15年3月31日迄の20%から4月1日以降10%に引下げられました。
★ 総合課税と申告不要、どちらが有利か
改正の結果、上場の株式等の配当金の課税は総合課税 か申告不要制度の選択制となる為、投資家はいずれか有利な方を選択する必要があります。
課税所得金額については下表をご覧ください。

課税所得金額 総合課税 申告不要
( 配当所得含む ) 税率 配当控除 正味税率 H20/3月末迄 H20/4月以外
  200万円以下 15% 12.8% 2.2% 10% 20%
200万円超 330万円以下 20% 12.8% 7.2%
330万円超 700万円以下 30% 12.8% 17.2%
700万円超 900万円以下 33% 12.8% 20%
(8) その他
緊急投資優遇措置
平成13年11月30日から平成14年12月31日までの間に購入した株式を平成17年から平成19年までの間に売却した場合、購入額が合計で1,000万円に達するまで売買益に対して、税金がかからない。ポイントは「購入額が1,000万円」という事。利益がどれだけ出ても税金は非課税である。
★ この期間に購入した株式が複数ある場合、できるだけ購入価格が低く、含み益の大きい銘柄を選べば非課税メリットが大きい。

平成16年に改正された内容
(1) 公募株式投資信託の課税の見直し
・ 公募株式投資信託の収益分配金は、従来預貯金の利子と同様の扱いを受けていました。平成16年1月1日からは、株当配当と同様に10%の源泉徴収と申告不要制度か、総合課税かの選択制となりました。(償還差益・解約差益も同様)
・ 公募株式投資信託の解約損・償還損・売却損が、株式等の譲渡益との通算が可能となり、又、3年間の損失の繰越の対象にもなりました。
(2) 「源泉徴収あり特定口座」における源泉徴収について
・ 平成16年1月以降は、譲渡益に対して、所得税及び住民税が源泉徴収される為、証券会社により納税手続きが完了します。
(3) 金融一体課税導入の動き
政府は、金融取引に絡む個人所得を一体で課税する制度の導入を検討しています。金融所得の一体課税は、様々な金融商品の売買で発生した損失と利益を相殺し、支払う税額を減らせる制度です。
現在損益通算の対象は、上場株式と株式投資信託の売買損益に限定されているが、これを株式配当や公社債投資信託の売買損益、公社債預貯金の利子などに広げ、預貯金に滞留している個人貯蓄を株式や投資信託等の投資商品に誘導し、金融市場を活性化するのが、狙いである。

<主な金融商品の所得課税>
  売買損益 利子・配当
株式 *10% *10%
株式投信 *10% *10%
公社債投信 非課税 *10%
公社債 非課税 雑所得
預 貯 金 - *10%
外貨預金 - 雑所得
(注) *は時限措置、 は、現在可能な一体課税の範囲
   *投資用不動産やゴルフ会員権の売買損益は、金融商品による所得と性質が異なるため、対象外となりました。

<損益を相殺できる主な金融商品>
対象 現在
○ 株式の売買損益+株式投信の売買損益
2005年度にも (早期実現の公算)
○ 株式の配当
○ 株式投信の分配金
○ 公社債の売買損益
将来実現(見通し)
○ 預貯金の利子
○ 公社債の利子
対象外 ○ ゴルフ会員権
○ 貴金属など商品
○ 不動産取引の売買損益
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